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zoom RSS <僕はちょっとクレイジーかもしれない(下)>ステファン・ランビエル

<<   作成日時 : 2009/02/12 01:18   >>

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これからもクレイジーであって欲しいような、欲しくないような
ファンとして複雑な心境になりました…




― あなたは新しいテクノロジーが好きではないと、ふだんから仰っています。でも、インターネットで動画を観たり、Eメールを使ったりしていますよね…

 ええ、Eメールを読んだり、何かの結果を見たり、旅先でDVDを見たりするためにインターネット(コンピューター)を使っています。便利ですね。でも、僕たちは長い間、それ無しに立派な生活をしていました。
 テクノロジーの正しい賢い使い方ができていない人がとてもたくさんいるように感じます。多くのものに出入り可能になりすぎるという点で、コンピューターは非常に危険だと思います。もしコンピューターがなかったら、子どもたちが多くの必要のないものに近づく機会はなくなるでしょう。率直に言って、僕はこのことが怖いのです。
 理解してほしいのですが、僕はインターネットやコンピューターに反対しているわけではありません。これらのテクノロジーがなくても生きていけると確信しているだけです。僕はそういう人間のひとりです。今の仕事ではテクノロジー無しにという訳にはいきませんが、でも“別の”人生なら、僕はそういうもの無しで生きてみたいと…

 ― 携帯電話無しで?

 携帯無し、車無し、テレビ無し、コンピューター無し。

 ― そうなったら何をするのですか? 本を読むとか?

 走ります。旅行します。友人の家へ遊びに行きます。それから、きっとダンスをします。

 ― 本のことですが、あなたの好きな本は、悲しくて、ハッピーエンドではないですよね。あなたは悲観論者なのでしょうか?

 ドラマ(悲劇)が好きなだけです。

 ― ドラマ(悲劇)に感情をかき立てられるのですか?

 はい。例えば、僕がいちばん最近観た映画は、アンジェリーナ・ジョリーの『チェンジリング』です。僕はその場で、映画館の中で泣きました。僕はアンジェリーナが好きですが、彼女はいつもふざけた映画に出ていて、いつも殴り合ったり、何かばかげたことをしています。でも、この映画を観れば、彼女が才能豊かな女優だということがわかります。
 本なら、いちばん最近読んだのは、ダンサーのヌリエフ(※バレエダンサーのルドルフ・ヌレエフのことだそうです。TSUGUMIさん、情報ありがとうございます! ロシア語表記は“Нуриев”なので、普通に読めば「ヌリエフ」なのですが、日本では一般に「ヌレエフ」と表記されるようです)の伝記です。まったく伝記っぽくない本でした。実話をベースに書かれてはいるのですが、同時に芸術的な作品でした。僕はヌリエフが好きなんです。もしも過去に戻って、彼がどんなふうに踊っていたのかを見ることができたら素敵でしょうね。

 ― あなたは俳優の勉強をして、俳優になりたいと何度か言っていましたよね。なぜダンサーではないのですか?

 僕は氷の上で踊っています。ダンスを続けたいと思っています。身体を使って、自分の感情を伝えることです。喜んで俳優の勉強をしに行きたいと思っていますが、焦って選んで後悔するようなことはしたくないんです。でも今は、単にそのことを考える時間がありません。

 ― あなたを引退させた怪我についてですが、今はどんな治療を受けているのですか?

 伸縮性のあるサポーターをつけて、特別なエクササイズをしています。怪我をした筋肉を強化しているんです。それから、週に1度マッサージを受ける必要があります。あと、整形外科用の特別な靴の中敷きをミュンヘンで作ってもらいました。片方の足が、もう片方の足よりも短いからです。これまでもずっとそういう状態だったのですが、トレーニングすればするほど、滑るのが難しくなるんですよ。

 ― 怪我に良くないのは、どんなエレメンツですか? それを避けることはできますか?

 いちばん大変なのは、スピンです。でも、僕はスピンのトレーニングをする必要があります。40〜45秒続けるのは特別なことです。普段から練習していなければ、ショーでも出来ません。
 ジャンプなら、トゥループが大変ですね。踏み切るとき、痛めた足にとても大きな負担がかかります。特に4回転を跳ぶときは。

 ― じゃあ、跳ばないでくださいよ!

 でも、これは僕の好きなジャンプなんです!これが好きなんです!好きなんですよ!もしかすると、僕はちょっとクレイジーなのかもしれません。

 ― 実際、クレイジーなのは素敵なことです。クレイジーなものは、ときに人生に風味付けをしてくれます。
 
 そのとおり!僕は今では試合に出られないし、自分の身体がそういう状態じゃないことを自覚しています。でも、好きなものを諦めたくないんです。4回転ジャンプも、スピンも…
 僕がここにいることを、僕がスケートをしているということを、観客の皆さんにわかってもらいたいんです!それが僕に幸せをもたらしてくれるんですよ。

 (終)


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コメント(17件)

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先日お邪魔したものです。この長いインタビューの訳、本当に大変だった事とお察し致します…。ありがとうございます!!

…引退して本性現した?じゃないけれども、率直過ぎる人間になっているようで、それがまた嬉しいような気がしています。変な話ですけれども、選手時代は「そつのない」受答えの中に、ちょっと尖がったところも見え隠れしてて、「若いんやから、もうちょっとさらけ出しても…」と思うことが稀にあったんですよね。まぁ、ファン馬鹿の極みと言うべき勘違いかもしれません…。

引退した途端、年に似合わぬヘンコな部分をさらけ出してくれて、その分自由になったのかなぁと思う反面、もう少し自分の身体も労わって欲しいなぁと。でもスケートを続けたい、という明確な意思が読めて、それはファンとして歓迎したい気持ちでいっぱいなので…矛盾してますね。

何はともあれ、素敵な記事の和訳を本当にありがとうございました!
RITU
2009/02/12 07:39
ecoさん、長大なインタビューの訳をありがとうございました!

>いつもそうだったように、トレーニングすればするほど、滑るのが難しくなるものですよ(?)。

ここの部分を自動翻訳機に入れると、(片足が短いのは)いままでもそうだったけれど、トレーニングを続けていくとさらにひどくなるので。 という風に訳されました(ドイツ語と英語)。 参考になりますでしょうか。
ざっそう
2009/02/12 08:57
ecoさん ありがとうございました。
とっても面白かったです!
4回転のくだりなどおかしくてたまりません。

そして、怪我の状況が良く分かりました。それなのにAOIのFreak like meのスピンの長かったこと!(1分近く回っていたような)。

ダンサーの本はヌレエフの伝記です。英語のタイトルは「Danser」だと思われます。(参照 拙宅のLe Matinの訳に出ているDanseurという本はヌレエフの伝記です http://yaplog.jp/andiamostella/archive/488) 
TSUGUMI
URL
2009/02/12 13:17
ecoさん、重量級の超長文インタ訳、本当にお疲れさまでした
私もケガの状態がよくわかりました。試合に出なくなったことは、ファンとしては悲しかったですが、無理したとしてもあと数年。その無理が今後の一生の健康を左右するのだったら、という判断はやっぱり賢明な選択だったんだとつくづく思います。
でもいくら好きだからって無理はしちゃいけないよ〜>ステファン
ちゃおちゃお
URL
2009/02/12 14:11
ecoさん 拙宅にて紹介させていただきました。ありがとうございました
TSUGUMI
URL
2009/02/12 21:57
RITUさん
お待たせしました〜、やっとなんとか訳し終えました〜(息切)
私も現役時代から「ヘンコ」だとは思っていましたが(笑)、採点のことについてはいつも上手にスルーしていたので、今回の内容には訳しながらちょっと驚きました。

スピンがいちばん大変っていうのはショックでした…4回転はともかく、スピンを「もうやめて!」とはなかなか言えないですよねぇ…私も矛盾しています。。
eco
2009/02/12 22:40
ざっそうさん
翻訳のアドバイスありがとうございます!読み直してみたら仰るとおりで、赤字で訂正させて頂きました。
ロシア語の先生からは「とにかく前からどんどん訳しなさい」と教えられてきたはずなのに、ついつい後ろから読んでしまう(未だに関係代名詞に慣れない)純日本人な私です。
eco
2009/02/12 22:42
TSUGUMIさん
こちらこそ、またまたご紹介頂きありがとうございます!
4回転のところ、すごくおかしいですよねー。なぜかインタビュアーに「弁解」してますもんね(笑)
そうですか、やっぱりAOIでは45秒スピンをやってたんですか…嬉しいけど心配です。でも心配だけどスピンを見られるのは嬉しいし…とっても複雑です。

ヌレエフ情報もありがとうございました。本文中で注釈を付けさせて頂きました。無人島へ持っていきたいぐらいお気に入りの本だったのですね☆
eco
2009/02/12 22:42
ちゃおちゃおさん
はい、本当に疲れました…いや、勉強になりました(笑)
いや、真面目な話、内容がとても面白かったので、訳しがいがあって楽しかったです☆

怪我の具合が私の想像よりも悪かったので、やっと今、心から「おつかれさまでした!」と言えるようになりました。私もショーでの4回転を見て「これは、きっと…」と思っていた口ですから。でも、スピンはやってほしいなぁ…でも、無理はしないでほしいし…やっぱり複雑なファン心理。
eco
2009/02/12 22:43
ecoさん、お疲れ様でした〜!!!
とっても興味深く、読ませていただきました〜!!!!
ありがとうございました★★★★★
しかし、テクノロジーの話題が出るたびに、「リハ中にずっと携帯いじってたのは誰やねん!?」「JOのキスクラでいじってたのはitouchやろ〜!?」とツッコミたくなるのは、私だけでしょうか!?(笑)
「ダンサー」の著者、コラム・マッキャンの新作って、「Let the Great World Spin」ってタイトルなんですヨ!・・・一瞬、「これは!?」と思ってしまいました。内容は全然違いましたが…(笑)
怪我の具合も、ecoさんのおかげで良くわかりました。そんなに辛いのに、なんであんなに頑張るねん〜(涙)
gaspard
2009/02/13 22:46
長文訳、ありがとうございました。
とても興味深く読ませていただきました。
ステファンにもとても好感を持ちました。
彼も競技が大好きなのに怪我のために
引退を余儀なくされた一人だということは
知っていましたが、なかなか熱くもあり
率直でもあり、魅力的な人間味のあるスケーター
ですね。私はヤグディンファンではありますが ステファンも
応援したい気持ちになりました。
競技から引退したことは ファンでなくとも残念に思っていましたが、これから 長くプロとして 熱く心に残る彼のダンスに注目したいと思います。
ririco
2009/02/13 23:28
gaspardさん、いらっしゃいませ〜〜^^
テクノロジーの話、きっといつも大真面目に言ってるんだとは思いますが、でも、携帯電話は好きですよね??ついでに車も好きですよね!?(笑)

「ダンサー」の著者情報、ありがとうございます!なんて思わせぶりなタイトル!!でも、本人も言っているように、伝記になる前にもうあと何年か滑ってほしいですよね。
治療の効果が一日も早く出ますように。
eco
2009/02/14 01:31
riricoさん
私もヤグディン大好きですよ!一般には「ウィンター」「グラディエーター」「仮面の男」あたりが人気のようで、もちろんそれも好きなのですが、私は「アラビアのロレンス」が特にお気に入りだったりします。
ヤグディンも股関節を痛めて引退を余儀なくされたんですよね?そして、人口股関節に換えてまで現役復帰をしようとしたけれど果たせなかった…
ランビエルは、好きな男子シングル選手として、クーリックとともにヤグディンを挙げています(公式HP情報)。熱さとか、率直さとか、二人は似ているかもしれませんね。
eco
2009/02/14 01:36
ecoさん
>スピンがいちばん大変っていうのはショックでした…4回転はともかく、スピンを「もうやめて!」とはなかなか言えないですよねぇ

引退後のインタビューで「なるべく痛まない姿勢のスピンをするようにしている」というようなことを言っていたと思います、が、どの記事だったかな? 探し出したらまた訳します。 
PCのどこかに埋もれてるんですよね、きっと(笑)
ざっそう
2009/02/14 04:08
ecoさんの訳を読んで ふたりは少し似てるかも…と私も思いました。競技の引退に関しても自分自身を納得させようと努めている様子にも似た思いを感じました。競技に対する熱い思いは同じでしょう。ヤグディンは股関節疾患のために世界一美しいと称された3Aを跳べなくなり ランビエールは スピンがいちばん辛いと……でも このタイミングの競技引退によって 少しでも長くスケートを続けられるといいかなと思います。ただ 競技者というのは 競技でしか 燃えられない……そんな現実と向き合っていかなくてはならない。ヤグディンも人工股関節にかえてまで 戻りたかった場所。真の競技者の永遠のテーマでしょうか。
ririco
2009/02/14 15:56
ざっそうさん

>なるべく痛まない姿勢のスピンをするようにしている

そうなんですね・・・
引退前と引退後のスピンをじっと見比べたわけではありませんが、「あぁ、前の方が良かったなぁ」などと感じたことは一度もないので、今までそういうことを考えたことがありませんでした。
ぜひぜひ、そのインタビューの発掘&翻訳、よろしくお願いいたします<(_ _)>
eco
2009/02/14 22:16
riricoさん
ヤグディンは3Aという武器、ランビエルはスピンという武器を、怪我のために失ってしまったんですよね…
ランビエルは早い時期に引退したことで、プロスケーターとして新境地を開拓しつつあるようですし、ヤグディンも俳優さんとして生き生きと活躍している様子ですね。
元チャンピオンの今後の人生が、どうか幸せなものでありますように。
eco
2009/02/14 22:22

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