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zoom RSS <診断は“コーチ中毒”(2)>アレクセイ・ミーシン

<<   作成日時 : 2009/06/10 23:43   >>

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私が平静でいられるのは
教え子以外の選手の出番だけ


 ― 教え子の出番前はコーチもどきどきすると思うのですが、慣れてしまうものなのでしょうか?それとも、毎回が初めての時のような感じなのでしょうか?

 東方の寓話に、母親が父親に内緒で息子にお金をやる話があるのを覚えているだろうか?賢明な父親が札束(?)をかまどの中へ放り込んだ。息子は火の中からお金を取り出そうとはしない。しかし、息子自身が働いて稼いだお金で同じことをすると、大慌てで紙幣を救い出そうとした…
 試合のときのコーチもこれと同じだ。自分の持てる知識と力のすべてを生徒に注ぎ込んでいれば、本番前は当然どきどきするし、生徒のためなら水火も辞さないものだ。私が平静でいられるのは、教え子以外の選手がリンクに出ているときだけだ。

賭博狂。麻薬常用。
そしてコーチ中毒。
これはさらに深刻だ


 ― ご自分が選手として試合に出て勝つことと、コーチとして教え子を世界レベルに導くことと、どちらの方がより輝かしいと感じられますか?

 私とタマーラ(編集者注:T.N.モスクヴィナのこと)はソ連チャンピオンになったし、世界選手権とヨーロッパ選手権で銀メダルという結果を残しているが、それでもコーチとしての私の人生の方がより輝かしく多面的だ。チャンピオンタイトルは競技活動の終了とともに終わってしまう。しかしコーチ業において、私はこの道を何度も何度も繰り返し経験している。ある生徒とひとつの勝利を、そして別の生徒とまた別の勝利をというふうに。それぞれが私にとって貴重なものだ。成功しなかった生徒と歩んだ道も。
 私は今、選手時代よりも充実したスリルのある生活を送っている。その頃はとにかくトレーニング、トレーニングで、年に3〜4回試合に出かける程度だった。それが今では毎週試合を抱えて、常にストレスのある状態だ。

 ― コーチ業は、博打と言ってもいいでしょうか?

 その通り!賭博狂、麻薬常用、アルコール依存、ヘビースモーカーなどがあるが、あなたが言うところのコーチ中毒はさらに深刻なのだ。夫婦のどちらかが「家族を取るか、コーチの仕事を取るか」という選択をせまられると、多くの場合は耐えきれずに離婚してしまう。コーチというものは、男性であっても女性であっても、自分の子どものことよりも生徒がアクセルを跳べるようになることを考えながら眠りにつくからだ。ある偉人が「才能とは歯痛(?)のようなもの。いつも片側だけだ」と言っているとおりだ。そこには明白な病状が出ている。しかも、このコーチ中毒は治らない。

 ― あなたにとって最も価値のある勝利は?

 アレクセイ・ウルマノフがリレハンメル五輪で優勝したことだ。私の教え子が初めてオリンピックで「金」を獲った瞬間だった。

 ― 生徒さんたちの中で、一緒にやっていていちばん興味深かったのは誰ですか?それから、いちばん心地よかったのは?

 大きく有名なダイヤモンドには、クリナン、レゲント(リージェント)、シャフ(シャー)、オルロフなどがあるが、それぞれがまったく異なっている!そう、アレクセイ・ウルマノフ、アレクセイ・ヤグディン、エフゲーニー・プルシェンコもまた巨大なダイヤモンドであり、現代における偉大な選手たちだ。それぞれみんな興味深かった。興味はじゃがいもとは違う。キログラムで量ることはできない。


 (続く)




<参考>
14の有名ダイヤモンド
http://www.cgl.co.jp/knowledge/01.html


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コメント(2件)

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「歯痛?」「じゃがいも…?」「クリナン、レゲント(リージェント)、シャフ(シャー)、オルロフなんて選手いたっけ?」

と、幾つものクエスチョンマークが脳味噌に突き刺さりました。他のロシア人もこんな喩えを使うのでしょうか。ミーシンのインタビューはいつも不思議なんですね。普通に訳してるecoさんが凄いです!笑

続きも楽しみにしております。
茸の女王
2009/06/11 00:25
茸の女王さん
ええっと…ぜんぜん普通に訳してません(笑)
たしかにロシア人は日本人よりも、比喩や諺を織り交ぜて話すことが多いように思います。でも、ミーシン発言を訳すには、現役選手の倍以上時間がかかってるかも(汗)見たことのない単語が多いのと、ロシア語以外の調べもの(今回はダイヤモンドの名前)が必ずあるので。でも、とても勉強になります!ありがたいことです!(笑)

喩えの部分、何を言っているのかなんとなくわかります?全然わからない(伝わっていない)ようなら、もうちょっといい訳を考えてみますので。

eco
2009/06/11 23:56

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<診断は“コーチ中毒”(2)>アレクセイ・ミーシン ロシア語自習室/BIGLOBEウェブリブログ
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