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zoom RSS <プログラム作りは深淵に飛び込むようなもの(7)>エフゲニー・プラトフ

<<   作成日時 : 2011/06/07 00:54   >>

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話題はフィギュアスケートから少しずつ離れ、映画の話に。
この後、自分はアメリカ人かロシア人か?というテーマへ続き
次回が最終回になります。あともう少し…!




映画ファン、芸術家、演出家

 ― 氷上の俳優あるいは氷の演出家であるためには、日常生活において、他の人よりも物事を鋭敏に受けとめる必要があるでしょうか。言いかえると、芸術家は空腹であり、芸術家は不幸であるべきでしょうか。

 その通りです。すっかり満腹で何不自由ないときは、いくらか堕落してしまい、あまり良い結果が出ません。でも、フィギュアスケーターに限らず、スポーツ選手は他とは異なる人間です。感覚と世界観が違います。ふつうの人なら数ヵ月間入院する怪我をしても、私たちは2〜3週間で立ち上がり、試合に出場し、メダルを獲ります。私たちには違うアプローチとメンタリティーがあり、(ひとつのことに)より焦点を合わせるわけです。人生の何かが手助けをするのか(?)…私はそうは思いません。スポーツ選手というだけで、すでに多かれ少なかれユニークな人間なのです。
 音楽を理解するためには、私たちは常にバレエ、ミュージカル、ショー、オペラを観に通っています。常にアイデアを拾っています。私の場合、ブロードウェーのショーが行われるニューヨーク近郊に住んでいるので、なおのことです。あと、映画も私の創造を手助けしてくれます。映画が大好きなんですよ。

 ― どんなものがお好きですか。

 文字通り、片っぱしから見ます。家族とよく映画館へ行きます。「オスカー(※アカデミー賞)」が大好きで、いつも本当に待ちきれないんです。ノミネート作品はできるだけ全部見て、自分なりの順位をつけるようにしています。今年の『英国王のスピーチ』は、ナンバーワンの映画ですね!天才的です!私は歴史ものとSFがとても好きなんです。SFは日々の生活とその繰り返しを忘れさせてくれます。撃ち合いや殴り合いのシーンは、ロシア映画だけでなく、アメリカ映画にもあふれています。でもこれはSFであり、フィクションですからね。

 ― 「オスカー」とヨーロッパの映画祭とでは、オスカーの方がお好きですか。

 ええ、おそらく長いことアメリカに住んでいるからでしょうね。オスカーの方がずっと身近だし、ほとんど(の俳優や監督を)知ってるでしょ。ヨーロッパの方は、ほとんど誰も知らないんです。

 ― ヨーロッパの映画祭で上映される作品は、広く見てもらうためのものとは全く限りませんから。

 もちろんです。でも、時にはそういう作品を見るのも好きです。カンヌ国際映画祭でどの作品がグランプリを獲るのか、どんな音楽が使われるのか興味があります。これは、仕事のために必要だからではなく、私の趣味です。

 ― ヨーロッパ人は、しばしば社会的テーマに多くの注意を払いすぎると思いませんか。あたかも、かつて力になれなかったり干渉しなかったことに対して、罪を感じているかのようにです。ひとつ例を上げると、第60回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した、『4ヶ月、3週間と2日』があります。ルーマニアのチャウシェスク政権時代を舞台に、事件が展開していく作品です。それに、これは映画の中だけのことではありません。ソビエト時代というのは、さまざまな分野で切実な(実際に存在する)テーマです。

 その時代とその体制をこき下ろしたがる人がたくさんいます。当時はいろんなことが起こりましたが、良い点もあったんですよ。みんなが微笑んでいたように思いますよ。今ではすっかり構造が変わり、資本主義になって、ロールスロイスに乗っている人がいるかと思えば、自転車を買えない人もいます。この格差は(人々を)打ちのめします。国家のレベルが上がれば、人々は再びもっと微笑むようになるでしょう。給料がもらえなくて、公共料金を払えなくてね。今のはジョークです。そんなふうに成り立っている国はひとつもありません。
 共産主義体制下では、もっと良くなるなんて分からなかったし、他のやり方があるかもしれないなんて分からなかった。私たちには“それ”が与えられ、そこで私たちは喜び、みんな微笑んでいたんです。

 (つづく)

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
最近ecoさんのブログを知って、熱心に読ませていただいてます。グリプラファンとしては、うれしいかぎりです。プラ様は常に冷静で客観的なコメントをくれて、いつも人間とは?と考えさせてくれます。
逆に押し出しの弱さがオクサナに言いたい放題いわれた原因かもしれませんが(笑) あ、でもオクサナ的な生き方にもあこがれます。
お時間があれば拙ブログにもお寄りください。ハンドルネームでググっていただければ解ると思います。プラ様の古いインタビューも数回のせてます。

今後も記事とても楽しみにしています。
ではでは。
ペケモジャ
2011/06/07 01:44
長文の翻訳お疲れさまです!ありがとうござます!

プラトフさんの現役時代を思い出します。NHK杯出場の時は、大会のメインイベントっていう感じでした・・・(笑)
アメリカ生活も長くなったのに、ロシア人らしくはっきり物を言っていて、ここでも芸術はロシア!って感じですね〜。今の高橋選手の演技や芸術面はどう思っているのかしら?と少し気になります。

あとシブタニ兄妹の滑りを褒めていたのが嬉しかったです。昨年初めてシブタニ兄妹の滑りをNHK杯で現地観戦した時、プラトフさん達の滑りを初めて見たときと同じぐらいの衝撃が自分にはあったので、ちょっと安心しました。(もちろん演技やリフトとかはこれからですが・・・ワールド3位には私もびっくりしました。)
YY
2011/06/07 13:10
ペケモジャさん
ようこそお越しくださいました!
今回のインタビューを訳すにあたって、プラトフさんのことを色々調べる中で、実はペケモジャさんのブログに辿りついておりました。「今更ながらプラトフさんの動画を見てぽか〜んとしている」と書いたのは、実はペケモジャさん宅で鑑賞させて頂いていたのでした。こちらからご挨拶すべきところを、たいへん失礼いたしましたm(__)m

私がアイスダンスに興味を持ち始めたのはトリノのナフカ&コストマロフからで、グリシュク&プラトフを見たのは長野五輪のテレビ中継がほぼ最初で最後だったんです。こんなにすごいダンサーを今まで認識できなかったなんて、なんて勿体ない!過去の素晴らしいダンサーたちのことをもっと知りたいので、これからもちょくちょくお邪魔させてもらいます。どうぞよろしくお願いいたします^^
eco
2011/06/07 23:03
YYさん
プラトフさんの現役時代!観たかった!アイスダンスに目覚めるのが残念ながらちと遅すぎました。

今季の高橋選手への評価はどうなんでしょうね?タラソワさんは「プログラムがあまり良くない」って言ってましたが、昨季の「道」が良すぎたせいもあるような…でも、とてもダンサブルなプログラムだったと思うので、ダンサーからの評価も聞いてみたいです。

シブタニ兄妹はすごい選手になっていきそうですね!今年もし日本へ来てくれたら、なんとしてでも観に行きたいという気持ちになっています。来季はアイスダンスに燃えそうな予感☆
eco
2011/06/07 23:04
色々考えながら読ませていただいて来ましたので、やっと追い付きました(笑)

フィギュアスケートで芸術的表現というと、とかくバレエを上げる方が多いのですが、イタリアのオペラやブロードウェイのミュージカル、ハリウッド映画も同じように評価の高い芸術ですよね
例えば、ヒップホップのようなダンサブルなものにも同じような芸術も見いだせるかと思っています
身近かどうか、また好みはその方それぞれかとおもいますが
いずれにしても、フィギュアスケート=オペラや=バレエ他ではないので、いろいろな表現がフィギュアスケートに融合して魅せて下さるプログラムは楽しいですし、プラトフさんの作品から何を見いだせるか、もう一度見てみたいと思いました
たま
2011/06/11 16:04
たまさん
拙訳をじっくり読んでくださったようで恐縮です<(__)>
私はこれまで特に「プラトフ作品」という意識を持ってプログラムを見たことがなかったので、これからそういう目で見て行きたいなぁと思っています。バレエでも、新体操でも、ハリウッド映画でも、ブロードウェイでも表現しきれない、フィギュアスケートだからこそできる、みたいなものを見たいですね!
eco
2011/06/11 20:18

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