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zoom RSS 三者同盟〜14歳でアイドルになれる〜(下)

<<   作成日時 : 2012/05/21 02:51   >>

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リーザは今、アルトゥールと一緒にカナダで振付中のはずですね。
ウイルソン氏がどんなリーザを引き出してくれるのか楽しみ!



変化の時

 昨年はリーザ・トゥクタミシェワの人生に非常に多くのことが起こった。喜びとともに悲劇もあった。2011年、彼女は父親を亡くした。父は元スキーの選手だった。それから数ヵ月後、彼女は母親と妹とともにサンクトペテルブルクへ完全に引っ越した。

 「ピーテル(※サンクトペテルブルクの愛称)へ引っ越してきて生活が変わりました。新しいステップに入りました。こっちと家を往復する時間の無駄が無くなって、生活がより良く、楽になりました。それにここはとてもきれいな街です」とリーザは言う。「私はふつうのフィギュアスケート選手と同じ生活をしています。トレーニングに、試合に、合宿。スポーツ一色です。本格的にスポーツをやり始めたら、そうじゃない生活はできないんです。ただ楽しむために滑るんじゃなくて、何か目標に向かって進まなくちゃいけません。目標なしに実りの多いプロセスを歩むことはできません。優勝して表彰台に立つ感覚は、特に大きな大会になると、言葉では言い表せません。私は試合に出るのが好きです。ナーバスになったり勇気を奮い起こしたり、そういうもの無しではいられないぐらい。ちょうどシーズンが終わったばかりですけど、もう寂しく(つまらなく)なってきて。誰かと競争したいし、試合に出たいです」

 リーザは、(対照的なものが)混じりあった印象を与える。リンクでは我慢強く真剣だが、インタビューの間は笑顔で声を立てて笑う。

 「大人でいられる時もあるし、ちっちゃな女の子でいたい時もあります。リンクではジャンプをダメにしないように集中していなくちゃいけませんが、トレーニングが終わったら気晴らししたり、地の自分でいられます。でも、リンクでだって笑えるんですよ。もちろん、グランプリで良い演技をして、ヨーロッパ選手権や世界選手権の代表に選ばれて、ちゃんと自分(の力)を見せなくちゃいけませんけど。私は家族に対して責任を感じてるんです。最初は友だちもいないし、新しい場所で大変だったので。でも、もうみんな慣れました。ママもグラゾフへ帰りたいと思わなくなったぐらい。家族は私のためにピーテルへ引っ越したんです。フィギュアスケートのため、つまり、私の人生のためにです。スケートが私の心から離れることは決してありません。私は生涯スケートと結びついているんだと思います」

 リーザ・トゥクタミシェワは周囲の人々から愛されている。彼女とは仕事がやりやすく、付き合うのが楽しい。振付師のゲオルギー・コフトゥンは、このミーシンの教え子のプログラムに舞台表現を持ちこんだ人物だが、彼曰く、リーザと仕事をするのはひとかどの喜びだそうだ。

 「彼女は驚くべき人物ですよ。忍耐強くて、好奇心旺盛で、とても良い子で」とコフトゥンは話す。長い口髭とライダージャケットが特徴的な男性だ。「彼女が誰かとケンカしているところなんて見たことがありません。いつも微笑んでいます。自分に多額の投資が行われていることを理解しています。大きくなりましたが、まだ子どもです。ただ、考え方は大人ですよ。彼女にはふつうの子どもがみんな持っている子ども時代というものがありませんでした。しかしその一方で、あの子がどれだけのものを得たかご覧になってください。スペインやイタリアやエストニアへ合宿に行くと、彼女も含め生徒たちは、同年齢の子よりはるかに大きく見えます。学校へは行っていませんが、その代わりみんな英語を知っています。それに、生徒たちは子ども時代の恵みを満喫することができます。交流したり、ディスコ大会を開いたり、可能な時は劇場へ行きます。アレクセイ・ニコラエヴィチはこのことにとても注意を払っています」

 「もちろん、養育は調和したものであるべきだ。だが、我々が実現させているようなスポーツ的要求と準備レベルにおいては、この調和を極めることはできない」とミーシンは認める。「舞台が夜10時に終わるとすると、帰宅が11時、寝るのが12時で、翌日は十分な練習ができない。もしもどこかのコーチが『私たちは劇場に行って、ダンスに行って、映画に行って、美術館に行って、そして優勝します』と言ったとすれば、それは馬鹿げたことだ。私がまだプロではなかった頃、有名なアメリカのアスリートがモスクワへやって来た時のことを覚えている。彼はボリショイ劇場へ行くのを断ったのだ。当時の私は『なんと妙な奴だ。劇場に2時間いて、バレエを観て、それから寝て、走って、やるべきことをやればいいのに』と感じた。しかしそうではなかった。観劇ひとつで、組み立てたものすべてが破壊されてしまうのだ。我々は劇場へ通ったり社交行事に参加するよう努めてはいるが、やはり生活のこの分野については立ち遅れている。その代わり、リーザは素晴らしいスパニッシュスクールに入り、通信教育で学んでいる」

 ミーシンの言葉によれば、スポーツの未来は次の3つの力に掛かっている。母国の連盟、スポーツ大臣、そしてスポンサーだ。それらの助けによってスポーツは生き延び、花開く。

 「今は特に良い状況だ」と著名なコーチは言う。「私は1956年から競技を始めたが、そのスポーツ人生でこれほど力強く、賢明で、しっかりと目的意識を持った金銭面その他の援助というのは未だかつて無かった。選手には食べたり、洋服を買ったり、映画館や劇場へ行くお金がある。外国へ合宿に行かなくては ―― いいですとも、トップ選手はそういう機会を利用できますよ。衣装を作らなくては ―― いいですとも、音楽ディレクターやフィジカルトレーナーや振付師を雇えますよ、という具合だ。しかし、支援を始めてから選手が結果を出すようになるまでには時間がかかり、援助に携わる人々はしばらく我慢する必要がある。が、結果は必ず出る」


略歴

アレクセイ・ミーシン 1941年3月8日生まれ。ソビエト連邦功労スポーツマスター。タマーラ・モスクヴィナとペアを組み、フィギュアスケート・ソ連チャンピオン(1969)、世界選手権銀メダリスト(1969)、ヨーロッパ選手権銀メダリスト(1968)、同銅メダリスト(1969)。1970年よりコーチ業に従事。アレクセイ・ウルマノフ、エフゲーニー・プルシェンコを五輪チャンピオンに導き、アレクセイ・ヤグディンを6年間指導した。現在は2011年世界選手権銅メダリスト、アルトゥール・ガチンスキーの指導にあたっている。

エリザヴェータ・トゥクタミシェワ 1996年12月17日、ウドムルト共和国のグラゾフ生まれ。世界ジュニア選手権銀メダリスト(2011)、ロシアジュニアチャンピオン(2011)。グランプリシリーズ・カナダ大会とフランス大会優勝(2011)。ジュニアグランプリ・ルーマニア大会とドイツ大会優勝(2010)、同ファイナル銀メダリスト(2010)。冬季ユース五輪初代チャンピオン(2012)。スヴェトラーナ・ヴェレテンニコワ、アレクセイ・ミーシンに師事。

 (終)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
とっても長文をありがとうございます。
たくさん興味深いことがわかって面白かったです。
リーザちゃんはアイドルスターになるように生まれたような子ですね。運命付けられてる感じです。肉親を亡くしてしまうのも、悲しいですがその運命のためのように思います。(正負の法則なのよ・・by美輪明宏)

振り付けはどうだったでしょうね。わくわく。
ロシア娘たちがぞくぞくグランプリに出てきて、競走も激化ですが、なんとかがんばってほしいです!
るしー
2012/05/23 20:38
るしーさん
はい、リーザは当にそういう星の下に生まれたって感じですよね!ジェーニャの言うとおり、ソチ五輪でメダルを獲る人なんだなぁと思いました。いま作っているプログラムのテーマは「ラブ・ストーリー」だとか。最終的に採用するかどうかは分からないようですが、楽しみですね。リプニツカヤのシニアデビューとか、安藤さんの復帰とか、ドキドキ・ワクワク一杯のプレ五輪シーズンになりそう!
eco
2012/05/29 00:38

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