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zoom RSS ミーシン<フィギュアスケートは腕を振ることではなく、靴と氷の相互関係>

<<   作成日時 : 2017/04/01 17:56   >>

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4/2 22:15 インタビュー部分すべて訳しました。バットマン・タンデュやポール・ド・ブラとは何なのか、私もさっぱり分かりませんでした(^^; バレエ用語なのですね。


男子SP終了時点でのコメント。フリーの予想を中心にとても興味深い(際どい)内容なのですが、取り急ぎ一部だけ!できれば後日、全部訳したいと思っているのですが、高級紙の文章は難しくてすでにヘトヘト。間違い等あればご指摘ください!



2017年3月31日
ワレリヤ・ミロノワ

アレクセイ・ミーシン

フィギュアスケートは腕を振ることではなく、スケート靴と氷との相互関係だ



 (前文略)


 ― 世界選手権2連覇中のハビエル・フェルナンデスのショートプログラムは、未だかつてどこでも見たことがないほど良いものでした。そこで思い出したのが、「1本の“余分な”ジャンプが美に勝つ」というあなたの言葉です。このスペインの選手は、他の同等のものを以ってしても美には勝てないことを証明したのでは…

 フィギュアスケートにおいて美は言うまでもなく重要だ。ただ、ジャンプが美しさに勝つという話をしたのは、試合全体の結果を念頭に置いてのこと。ショートプログラムで各選手に許されている4回転ジャンプは最大2本にすぎない。フリーになるとその数の制限がなくなり、コンテンツの難度が特別な意義を持つようになるのだ。

 ショートプログラムの結果を見ると、例えば、フィギュアスケートの基準とされるカナダのパトリック・チャンは3位にとどまった。理想的なステップを踏むとされ、概してよくスケート靴を使いこなす彼がだ。さあ、フリープログラムを見ることにしよう。昔よく言われていた優雅さと強さ、我々の場合には技術と演技のバランスをうまく保つ理想的なスケーターが勝てば、私は嬉しく思う。

 ただ、私たちがいま検討しているのは、傑出したレベルの選手たちだ。ちなみに、より低いランクへ降りてしまうと、失礼ながら、「飾りのない真実」を見ることになってしまう。もしあなたが1本のトリプルアクセルあるいは4回転ジャンプを持っていて、ライバルは持っていないとすると、彼はあなたに最初から負けている。例外は上の方にこそあるのだ。
 例えば、アメリカのジェイソン・ブラウン。興味深いスケーターで、いわゆる士気を自分に蓄え、高難度のジャンプという武器を持たずしてすでにエリートの座にいる。
 しかし大部分においては、追加の4回転が美に勝つ。これはルールだけの問題ではない。ルールは2010年のバンクーバー五輪時代から変わっておらず、そこでは、思い出してほしいのだが、勝つために4回転ジャンプを跳ぶ必要はまったくなかった。ところが今は再び4回転が空気のように必要なものとなっている。

 ― 仮にですよ、並外れたスタイルを持つフェルナンデスが、中国のボーヤン・ジンあるいは、半メートルの脚を持つ日本のショーマ・ウノと同じぐらい質の高い複数の4回転ジャンプを、フリープログラムで行うとしましょう。誰が勝ちますか?

 同じであればフェルナンデスだ。スタイルは重要でないとは誰も言っていない。それどころか、技術に小さな後れがあって美にアドバンテージがあれば、それはまさに美の勝利をもたらす。

 ― ショートプログラムはどうだったのでしょうか。フェルナンデスは、2位となったショーマ・ウノ、あるいは3位のパトリック・チャンにどこで勝ったのでしょうか?

 いや、例外の括弧の外へ出せば、現在のフィギュアスケートの傾向はやはり「追加の4回転が勝つ」という公式に当てはまる。

 ― 五輪チャンピオンのユヅル・ハニュウは、2つ目の4回転ジャンプで着氷に失敗し、実際に5位まで投げ落とされましたね。その驚くべきエレガントさにもかかわらず。

 ちなみに、私はハニュウをアーティスティックだとは言わない。美に関する私たちの伝統的な考え方とは、アグリッピーナ・ワガノワの規範にそって磨き上げられたポーズと動き、音楽性、そして音楽のリズムに動きを正確に当てることを意味する。ハニュウは違う。彼は動きをリズムに当てようとしない。そして、驚異的な柔軟感覚と身のこなしを披露しながらも、私たちがロシアや世界のバレエの規範・伝統によって慣れ親しんできたものを何も持っていない。ハニュウは豹を想起させる。いちども教室へ通ったことがなく、バットマン・タンデュやポール・ド・ブラとは何なのか見当もつかない豹を。
 これに対してフェルナンデスは、バレエ芸術の伝統的な解釈にとても正確にフィットしている。

 ― あなたは長きに渡ってスペインのフェルナンデスに助言を与え、良い指導をされたようです。ヨーロッパ選手権ではライバルとの競争がなく、多くのミスを重ねならがも優勝しました。この世界選手権では針が振り切れるような競争の中、彼はまるで別人になりました。これは心理的な特質だと思われますか?極度の状況に向かうと最大限の力を見せるのでしょうか?

 フリーまで待とう。私はハビエルを信じている。彼は何年もカナダのブライアン・オーサーのもとでトレーニングしているのに、ジャンプがアメリカ式ではないのだ。しかし、彼の技術的ポテンシャルは4回転ジャンプ2種類まで。それに対して、例えばショーマ・ウノ、ボーヤン・ジン、ネイサン・チェンはそれぞれ4種類。もしフェルナンデスが神々しいまでのスパニッシュダンスを、やはりそれを彼なりに素晴らしく舞うショーマ・ウノの傍らでやるとする。ウノは、サルコウにトゥーループを付けるフェルナンデスよりも2つ多く、さらにループとフリップを跳ぶ。そうなるとハビエルはひどい目に遭うはずだ。

 ― 最終的にはどの選手にアドバンテージがあると思いますか?

 私はフェルナンデスが勝ってくれればと思っている。なぜなら彼のフリープログラムは磨き上げられたもので、いわば明確な構造を持っているからだ。本のように項目分けされている。
 ユヅル・ハニュウも良いが、この豹はあまりにもエモーショナルだ。この日本の選手が非の打ちどころなく過ごしたであろう試合を、私はひとつも覚えていない。
 ボーヤン・ジンは頼もしい中国車だ。4回転ルッツも、サルコウ−トゥループのコンビネーションもやる。エレガントで独自のものを持ってはいるが、パトリック・チャンがとうの昔に獲得したトップアーティストという評判を手に入れていない。そもそもフィギュアスケートとは何か?それは観客に向けて腕を振り回すことではなく、スケート靴と氷との相互関係だ。この面でチャンに並ぶ者はいない。
 ネイサン・チェン?彼の時代は近づいているが、コンポーネンツの最高値をつけられるモデル選手ではない。彼も良いのだということに皆が慣れていくだろう。これは、人が食べ物に慣れるようなもの。イタリア人はスパゲティがいちばん美味しい料理だと思っているし、ロシア人はジャガイモ、フランス人はサラダ。実はどの料理も良いものなのだが。

 このように私たちはいま、自分のコミュニティで規範をつくろうとしている。それに沿ってどの「料理」がいちばん「美味しい」かを定義するために。バンクーバー五輪でいちばん「美味し」かったのは、つなぎ・移動だった。それが今ではパトリック・チャンその人が、いわば血のにじむような努力をして2種類目の4回転ジャンプ、サルコウを習得し、もう十分に安定して跳んでいる。
 私は彼をスケーターとしてだけでなく、人間として気に入っている。これは物好きな観察なのだが、フィギュアスケート界のすべてのスターたちが純粋に人間的な共感を呼び起こすという訳ではまったくないのだ。
 男子シングルの状況は違う。トップスケーター全員の心が周囲の世界に開かれている。ハニュウは、私を見かけて通り過ぎてしまうことが決してない。必ず近づいてきて挨拶してくれる。

 ― わが国の男子2人の見通しは?

 ミハイル・コリャダは4回転のトゥループと並行して、理論的にはサルコウとルッツも行う。しかし、彼が3つの4回転をこなせるかどうかには大いに疑問があり、「…」の符号が付く。そうであればもちろん良いのだが。ショートプログラムは4回転1本で、すでに十分長く滑って磨き上げられたものだから、もちろん最大限に近い得点を得ることができる。しかし、ショートで2クワド、フリーで3クワドを行わないなら、今の時代に遠くへ行けることはないだろう。
 マクシム・コフトゥンは2種類の4回転を持っているが、彼には再び「癖者」という悪評が下された。ショートで実際に2つ目の4回転を行ったが、なぜか転倒してしまった。私がいま一緒に仕事をしているカロリーナ・コストナーは、30歳という年齢にもかかわらず、筋肉の動きも整合性もこれまでどおり完璧だ。コフトゥンは若い。強い肉体を持っているし、体重も少し落としたし、色んなことができると思う。少なくとももう1つ4回転ジャンプを習得できるのでは。

 ― あなたの教え子で2015年の世界チャンピオン、エリザヴェータ・トゥクタミシェワには何が起きているのですか?

 それが分かっていれば、私は偉大なコーチになっていただろう。




<原文>
http://www.kommersant.ru/doc/3259927

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ecoさま、お久しぶりです。
貴重な長文インタビュー、翻訳お疲れさまです。
ミーシンコーチのお話が読めたこと感謝です!確かにゆづ君はバレエのラインとはちがうけど、大ちゃんだってそうだったし(キャリアの後半でバレエを取り入れてたけど)、独自のよさがあると思います。
ミーシンコーチのいう氷との親和性が重要だということもフィギュアならではだと思います。身体表現にバレエ的なエレガントさがあるかどうかよりも、選手のパーソナリティーがどれほど表出して観客に訴えかけるかが勝負だと思うので、そうであったからこそ、大ちゃんは世界中の観客から愛されたのだと思います。もちろん、バレエ的な美しさは大好きですが、日本男子の独自の表現のユニークさは面白いと思います。
ミーシンコーチがパトリックを人間的にも好きだとか、ハニュウは挨拶をかかさないとか、そういったことおっしゃってるのがうれしいですね。
ああ、でも、リーザのトリプルアクセルがみたい!!リーザの優勝で女子のジャンプも変わると思ったのに。ミーシンコーチ頼みます!
それでは、また!ありがとうございました。
みかん 
2017/04/03 11:51
みかんさん、お久しぶりです!いつもコメント感謝です!!
はい、この翻訳はめっちゃ疲れました〜。でも、ミーシン先生のスケート理論・哲学・美学にまた一歩深く触れることができて、すごく楽しかったです。つまり、日本料理も、スペイン料理も、中華料理もそれぞれに美味しいということですよね?^^
そうそう、パトリックのくだりには少し驚きました。バンクーバーの頃はあんな状況だったのに。でも、とても嬉しいことですね。男子のトップ選手がみんな「いい子」というのは素晴らしい!
そして、来シーズンはなんと、プルシェンココーチ&アデリナvs.ミーシン教授&リーザの戦いに?!アデリナにももちろん戻ってきてほしいけれど、リーザが“余分な”3Aで五輪を制する姿を拝めたら最高です!!
eco
2017/04/07 22:48
eco様、こんにちは!
翻訳がお忙しいでしょうに、ご返信ありがとうございます。
ジェーニャのスケート学校はモスクワなんですよね。てっきり、サンクトペテルブルクかと思っていたので意外でした。ミーシンコーチとはライバル関係になってしまうのでしょうか?でも、ほんとの親子のような関係のお二人ですから、そういうものはすでに凌駕されているのか?なんだか、すっごく、気になります。これからも、ロシア発信の記事は見逃せないですね!これからも、楽しみにしています!
みかん
2017/04/08 11:36
みかんさま、とんでもないです、皆さまのコメントは翻訳の励みになるのでとてもありがたいです^^
ジェーニャとミーシン先生の教え子同士がどう戦うのかは、すでに2人の間で話し合い済みだそうですよ。(https://www.sports.ru/figure-skating/1050013221.html)キスクラやリンクサイドからもますます目が離せなくなりますね!
eco
2017/04/10 00:12
eco様、こんにちは!
新情報ありがとうございます。
早速、自動翻訳で読んでみました。ジェーニャ引退についての関連記事がたくさんあって、面白かったです。ミーシンコーチも彼の決断を応援しているようなご様子だったんで一安心!ジェーニャのコーチ姿楽しみですね。
みかん
2017/04/10 13:37
いつも読ませていただいています。
私はバレエ・ファンなので、こちらの記事がとても興味深かったです。
こちらの記事を拙ブログへリンクさせていただきました。
もしも差し障りなどございましたらお知らせください。
http://rose-adagio.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-014e.html
みさこば
2017/04/16 14:04

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ミーシン<フィギュアスケートは腕を振ることではなく、靴と氷の相互関係> ロシア語自習室/BIGLOBEウェブリブログ
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