<変化の風>ドムニナ&シャバリン

選手の怪我の話を聞くのはつらいですね・・・
ランビエルの引退で、フィギュアスケートというスポーツの過酷さが
私にも少しだけ想像できるようになった気がします。
どうかシャバリンが10年後も100%健康でありますように。




変化の風



 フィギュアスケーター、オクサナ・ドムニナ&マクシム・シャバリン。ヨーロッパ選手権、そして世界選手権でアイスダンスの金メダルを狙う二人が、運命に立ち向かい海を渡った。『スポーツ.ru』紙は、チーム・ロシアのリーダーである二人が今どうしているのか、どこでトレーニングをしているのか、そして新シーズンでどんなサプライズを見せてくれるのかに興味を持った。

勝利の対価

 マクシム・シャバリンに一番の望みは何か?と聞いたときのことだ。スケーターは間髪入れずにこう答えた。「健康です。できるだけ健康であることです」と。特に驚くことではない。なぜなら、マクシムは昨シーズンずっと怪我と病気に苦しめられたからだ。

 2007年の春、彼は右膝を手術し、その後盲腸の摘出手術を受けた。当然このような病状では、シーズン開幕に向けた準備計画の話などできなかった。にも係わらず、ドムニナ&シャバリンはシーズン中で最も大きな試合のひとつである、グランプリ・ファイナルで勝つことができた。

 次のステップはヨーロッパ選手権だった。しかし、膝の痛みが再びシャバリンを苦しめ始めた。今度は左膝までも。二人の前コーチであるアレクセイ・ゴルシコフは、次のように説明した。「一度目の手術の後、マクシムは本能的に悪い方の足を、健康な方の足でかばうようになりました。そして健康な足も耐えきれなくなり、痛めてしまったのです」

 次の手術をしても完全には回復しなかったが、それでもシャバリンはヨーロッパ選手権に出場し、優勝した。しかしイエテボリの世界選手権への参加は、もはや無理だった。医師チームがマクシムをこう脅したからだ。「身体に障害を残したくなかったら、シーズンを終えて、治療を受けなさい」

ロシアとアメリカ

 2008年6月12日、二人はコーチと練習拠点を変える決心をした。アレクセイ・ゴルシコフと2002年から仕事をしていた、ホームのオジンツォヴォを離れ、ナタリヤ・リニチュクとゲンナジー・カルポノソフのいるアメリカへ渡ったのだ。このような大胆な変更の理由について二人は語らないことに決め、「時が教えてくれるでしょう」とだけ答えている。ただ、ロシア・フィギュアスケート連盟会長のヴァレンチン・ピセーエフが強く勧めたからという説もある。彼は以前から次のように強調していた。「ドムニナ&シャバリンは“井の中の蛙”だ(※自分の狭い殻に閉じこもっている)。指導者を替えて、スケートの新しいレベルに踏み出すべきだ。それなくして、バンクーバーの金メダルを語るのは難しい。」

 決定は重いものとなった。すべてをロシアに置いていくことになった。家も、家族も、友人も、そして愛するコーチ(二人はゴルシコフをこう呼ぶ)も。アメリカではまったく違う生活に慣れなければならない。オクサナとマクシムを待っていたのは、友達のようなコーチの代わりに、彼ら自身の言葉によれば、ビジネスの関係のコーチ。友好的なリンクの代わりに、最大のライバルであるベルビン&アゴスト。充足した生活の代わりに、ドムニナによれば、リンクと車と部屋以外には何もない競技生活。

 二人はペンシルバニア州のグレンミルズに住み、車できっかり20分の距離にある隣町のリンクで滑っている。部屋を借りている。条件は、彼らの言葉によれば、十分に良い。トレーニングは1日2回。2時間滑り、休憩をはさみ、また2時間滑る。

 アメリカでは、ロシアと比較して、準備のやり方がまったく違う。1人のコーチが1組だけを見るという、個別レッスンを受けるのだ。朝はナタリヤ・リニチュクの指導を受け、午後はゲンナジー・カルポノソフと練習する。

 アメリカに到着して1ヶ月間、スケーティング技術を一から学び直した。ドムニナの言葉によると、自分たちがまるでスケート靴で立ったばかりの、小さな子どものように感じられた。

プログラム

 オクサナとマクシムは、今シーズンの選曲には非常にこだわった。何かユニークで、そして“使い古されていない”ものにしたかった。フリー・ダンスには、アラム・ハチャトゥリアン作曲のバレエ音楽『スパルタカス』を選んだ。ペアではよく使われているのだが、ダンスでこのメロディーが流れたことは一度もない。

 オリジナル・ダンス(今年の課題は1920~40年代のリズム)には、ショスタコーヴィチの『ジャズ組曲』よりワルツを選択した。ライバルたちはおそらくクイックステップかフォックストロットで来るだろうから、ワルツならオリジナルで新鮮なものになるだろうと目論んでのことだ。

スタート

 ドムニナ&シャバリンが11月6日~9日に行われるグランプリ・中国大会に参加するのかどうか、問題はすでに明らかだ。すべては、彼女たちが新しいやり方を“ものにする”ことが出来るかどうかにかかっている。二人は、ロシア・カップ(11月20日~23日)ではきちんとやると請け合っている。




2008年10月18日
オリガ・オクセニチ

<原文・写真・動画>
http://www.sports.ru/others/figure-skating/5975220.html



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この記事へのコメント

  • ちゃおちゃお

    ecoさん、こんばんは。
    ステファン引退の衝撃のニュースの後、第3外国語?のフランス語記事と格闘して日本語に直していく作業をしているうちに、ステファン本人の気持ちが多少なりともわかるような気になり、ただただ悲しい、つらい、ショック、という気持ちではなくなってきました。

    本当に選手のケガの話はつらいです。
    私はダンスでは、ドムニナ・シャバリンが好きな組の1つで、特に去年のODのコサックダンスとFDの仮面舞踏会が大好きです。だからシャバリンのケガで欧州選手権でも世界選手権でも見られなかったのがとても残念でした。

    でも、とにかく健康が一番大事。競技者としての人生の後に、その何倍もの人生が待っているのだから、できればしっかり治すこと、もしできないならつらくても決断をしなければいけないんだなぁ、と本当に心から思う今日この頃です。

    アメリカに移って新しい環境で大変だと思いますが、彼らの健康と今季の活躍を願っています
    2008年10月20日 01:14
  • eco

    ちゃおちゃおさん、いらっしゃいませ~
    ステファン引退についてのたくさんの翻訳、どうもありがとうございました。
    私は第1外国語の英語すら読む気力が湧かず、ちゃおちゃおさん始めファンの皆さんが訳してくださっている日本語を、あちこちで読ませて頂きました。
    私の内転筋で良かったらあげたいです・・・

    さて、ドムニナ&シャバリンですが…すみません、実は私、この二人をあまりよく知らないんです。でも、この記事を訳して親近感が湧いてきたというか、
    すごく応援したい気持ちになりました。
    別の記事では、アメリカでの生活を“小さな牢屋”のようだと語っていたドムニナですが、何とか頑張って欲しいと思います!健康第一で。
    2008年10月20日 21:42
  • オクサーナ

    ecoさんて学生さんなのですか? ロシア語を勉強なさっているなんてすごいです。
    フィギュアはロシアが強かったこともあり、好きな選手が多いです。最近は地盤低下気味ですが、優雅で大人っぽい演技がいいですね。
    私は、アイスダンスが一番お気に入りの種目です。ドム二ナ組はバーチュー組やベルビン組など強敵が多いですけど、優勝してほしいですね。
    ボロノフ選手も期待していますが、彼はソチ五輪かな。
    高橋さん、浅田さん、荒川さんがロシア人コーチによって大きく飛躍したので、ロシアの動向は今まで以上に気になるところです。
    それにしても、フィギュアに限らず採点競技の強いロシアが女子シングルを獲っていないのは、五輪の七不思議ですよね。(とはいっても、スルツカヤの銀は納得してません。)
    今シーズンもシングルの日本、カップルのロシアを応援していきます。ecoさん情報よろしくお願いしますね。
    エフゲニー・プラトフが今でもナンバーワンの私です。
    2008年10月21日 22:08
  • eco

    オクサーナさん
    はい、大昔の学生さんです(笑)いま勉強し直してるところなんです。
    私がアイスダンスを見始めたのは、長野ぐらいからかな。エフゲニー・プラトフって、長野の金メダリスト、グリシュク&プラトフのプラトフさんですよね?
    ロシアは今、空前のフィギュアスケートブームらしいです。成績が低迷していても、やっぱり土壌が違うんでしょうか。
    スルツカヤ!女子シングルでいちばん好きな選手です☆
    2008年10月22日 20:20

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