我が国のスケーターはアメリカの地で全力でトレーニングしている
ロシアフィギュアスケート連盟会長のヴァレンチン・ピセーエフが、世界選手権に先立ちチームの最新情報を話してくれた。
ロシア新聞: ヴァレンチン・ニコラエヴィチ、我が国の選手たちは全員もうアメリカに行っているのでしょうか?
ヴァレンチン・ピセーエフ:
ほぼ全員ね。しかし、状況は少しずつ違う。オレグ・ヴァシリエフコーチと、マリア・ムホルトワ/マクシム・トランコフは、慣れ親しんだシカゴのリンクにいる。オレグ・キモヴィチ(※・ヴァシリエフ)の教え子たちが度々合宿を行っている場所だ。オクサナ・ドムニナ/マクシム・シャバリンは、ナタリヤ・リニチュクと共に今までどおりデラウェアにいる。彼らはその近くに住んでいるからね。
ロシア新聞:マクシムの健康状態はどうですか?
ピセーエフ:
良くなったと聞いている。彼らは3つのプログラムすべてに新しい衣装を用意した。だからすぐには彼らだと気づかないんじゃないか?ジョークだよ、ジョーク。
ロシア新聞:他の選手たちはどこでトレーニングしているのですか?
ピセーエフ:
デトロイトで。より正確に言えばデトロイト近郊だ。すでに3月11日にそっちへ出発している。風土に順応する時間は十分にある。アメリカのリンクは狭くて長いので、それに慣れようとしているところだ。デトロイトにはペアのユウコ・カワグチ/アレクサンドル・スミルノフ、アイスダンスのヤナ・ホフロワ/セルゲイ・ノヴィツキー、シングルのアンドレイ・ルタイ、セルゲイ・ヴォロノフ、アリョーナ・レオノワがいる。
ノダリ・マイスラッゼのことはすでに話したとおりだ。練習以外のところで(?)怪我をしてしまったため、彼とリューバ・イリューシェチキナは残念ながら、ロサンゼルスには出場できなくなってしまった。彼らの代わりにチームに加わったのが、クセニヤ・オゼロワ/アレクセンドル・エンベルトだ。しかしこのように急な事情だったため、彼らがロスへ発つのはペアの試合の前日になってしまう。
デトロイト組はみんな調子が良く、問題は起こっていない。向こうにはロシア人コーチが少なからずいるので、おそらく歓待してもらえただろう。今のところムードは良い。しかし、選手同士の競争もあるだろう(?)。
審判やスペシャリスト、責任者たちは、21日にロスへ出発する。女子の試合の後に嬉しいセレモニーが行われることになっている。あなたもご存じだと思うが、ロシア初のフィギュアスケート五輪チャンピオンとなったニコライ・パニン-コロメンキンは、1908年のロンドンオリンピックで優勝し、殿堂入りを果たしている。この栄誉を讃えて、国際スケート連盟から賞が授与されるのだ。我々はその賞を、パニン-コロメンキンの金メダルが保管されているエルミタージュか、もしくはサンクトペテルブルク・フィギュアスケート・アカデミーに置きたいと考えている。
ロシア新聞:では我が国の計画について、慎重なところで結構ですので話してもらえませんか。
ピセーエフ:
計画かい?それは何よりもまずアイスダンスに懸かっている。ダンスは一番高いところを目指して戦うことができる。世界チャンピオンのイザベル・デロベル/オリヴィエ・ショーンフェルダー(フランス)が怪我のため世界選手権を欠場すると発表した。とはいえ、戦いはやはり非常に熾烈だ。アメリカ勢2組とカナダの組がいる。しかしチャンスはある。
ロシア新聞:ロサンゼルスの世界選手権では、我が国の代表もアイスダンスのジャッジをします。ヘルシンキのヨーロッパ選手権では、残念ながらロシアの審判は・・・(※以下、わかりませんでした)
ピセーエフ:
いや、世界選手権では、我々は審判団の中でコンパルソリーダンスもきっちり採点する。あとは運が決めることだ。
ロシア新聞:ペアには何を期待できますか?
ピセーエフ:
ペアでメダルが獲れれば、それは素晴らしいことだ。
男子シングルでは、我々はヨーロッパ選手権でセルゲイ・ヴォロノフを当てにしていた。しかし彼はヘルシンキでは期待に応えることができなかった。どうやらセルゲイは、批判を受けて正しい結論を出したようだ。練習を組み立て直し、トレーニングと滑り込みの量を増やして、今では1月の試合のときよりも幾分良くなっているように見受けられる。
世界ジュニア選手権で優勝したアリョーナ・レオノワは、アメリカで良い演技をすれば、来年の選手権の代表枠を増やすことができる。
我々は心地よく進んでいるが、やがてあつくなるだろう。ロサンゼルスの気温は、20度だ。
2009年3月18日
ニコライ・ドルゴポロフ
<原文>
http://www.rg.ru/2009/03/18/piseev.html
<自習メモ>
накануне 前夜、前日/先だって
акклиматиза'ция 風土馴化
гостеприи'мный 客を歓待優遇する、客好きの
Зал Славы 殿堂
брига'да (軍)旅団/班、組、隊
прете'нзия 要求、主張/苦情、不満、クレーム
жре'бий くじ/運命、運
объём 容積、体積/大きさ、広さ、数量
судя по всему; по-видимому, видимо, вероятно, предположительно
この記事へのコメント
RON
イリューシェチキナ組は残念でしたが、あとは概ね順調と言うことで一安心です。
それに何枠取れとか何位以内になれとか言ってないので良かった
ロシアの話とは外れますが、今日の成田の事故の影響で真央ちゃんは関空発に変更したそうですが、現地行きのファンにも影響があったかもしれませんね。
ksenia
今季、オクサナを観ることがあまり出来なかったので、ワールドでは楽しみにしています。マックス頑張れーー
オクサナとリニチュクコーチが並ぶと母娘みたいで、とっても綺麗です。二人とも美人ですよねvv
「オクサナ」「クセニア」はウクライナ系の名前だそうですよ。
批判を受けてって、そんな深刻な状況だったの?!ヴォロノフ君。
eco
真央ちゃん、ひやっとしたでしょうね。ファイナルの時も飛行機が遅れたんですよね?なんとかロスの公式練習に間に合って良かったです☆
たしかに「何枠取れ」とは言ってませんが、「風土に順応する時間は十分にある」っていう発言は、裏を返すと「現地で事前合宿を組んでやったんだから、それ相応の結果は出るはずだな?」という意味のような気がします…こわっ。
eco
マイスラッゼですが、直訳だと「まったくスポーツ的ではない怪我」となっているので、たぶん練習以外のところでの怪我だと思います…残念ですね。
ヴォロノフ君はかなり絞られたみたいですよー。決して練習熱心ではなかったようで…本人が語っていたとおりだったんですね(^_^;
24日付の新聞にドムニナのロングインタビューが載っていました。GPファイナル後に振付を変えたそうです☆ざっと読んで目に付いた(辞書無しで理解できた)ところを、次のコメント欄で少しご紹介しますね。アバウトな訳なのでご了承を。
eco
より)
「ユーロで何が起こったかって?何も。転倒して、5位になった。それだけよ」
「マクシムの怪我についてはあまり話したくないの。ユーロのときは難しい状態だったわ。でも、何もかも話す必要はないでしょ。」
「(コーチを変えたのは正しい決断でしたか?)今は答えたくないわ。今シーズンは結果を残せていないけど、大事なのはプレ五輪シーズンじゃなくて、五輪だから。五輪が終わったら、正しかったかどうか答えられるわね」
「アメリカの観客は独特よ。いつだって自国の選手に夢中。1列目に座ってポップコーンやハンバーガーを食べるし」
「(ダンスの表彰台争いをするのは?)カナダのヴァーチュー&モイアね。4大陸の演技をインターネットで観て、彼らのリフトが気に入ったわ。その時はまだ形になってなかったけれど」
「アメリカの生活には慣れないし、慣れたいと思わない。家に帰りたいわ。アメリカで1日余計に過ごすことは、私にとっては強制労働よ」
ksenia
ecoさんすごい!私はまだ辞書なしでは理解できない箇所がいくつかあります
アメリカの自国贔屓は他の競技でもすさまじいですよね。
正直、ファンとしても、アメリカに「慣れて欲しくない」です。
ユリ
絞られたかいがあったのでしょうか(^^;;
ルータイくん15位ですから2枠は大変きびしい状況ではありますがね(;_;)
ロシアンではないですが、ベテラン(ジュベール、ライサチェック、ベルネル)の順位がうれしいです。個人的にはジュベールとベルネルのように観客を巻き込む演技をなつかしい気持ちで見ていました。ああいう演技って若手ではあまり見ないですよね。ライサチェックの時はアメリカだしどうしても(ジョニーはこのリンクでどれだけ滑りたかっただろう)と悲しい気持ちでいっぱいになってしまいました。きっと本人が一番そう思ってるでしょうが。。
ドムニナのインタビュー、アメリカの観客って・・・絶句してしまいました。オリンピックならその競技のファンでないかもしれませんが、世界選手権って競技自体が好きな人が行くものだと思ってました。失礼すぎるし非常識すぎますね。
eco
私も「強制労働」なんかは辞書引いてます!辞書なしでだいたいの意味が“想像できた”ってことで…(^_^;
ヴォロノフ君なんかは、住んでしまいたいぐらいアメリカ好きなようで、胸にでっかく「USA」って書いたシャツを着たりしてましたが…人それぞれですねぇ。
eco
さっきたまたま記事を見つけたんですが、ヴォロノフ君は今オクサナ・カザコワさんとも一緒に練習してるらしいです。オリンピックチャンピオン3人がかりで絞られた成果?? でも、カザコワさんのことを「第2のママみたい」なんて言ってましたよ(笑)
私もベテランが上位に来て嬉しく思ってます!ジュベールやベルネル型の演技、たしかに少なくなって寂しいですよねぇ。ライサチェクも今回は“魅せる”演技で素晴らしかったと思います。フリーもこの出来なら、ある意味、ジョニーのためにも優勝してほしいな、なんて思いながら観てました。
ドムニナのインタビューですが、これはCD前のものなので、今回の世界選手権の客のことを言っているのではないと思いますよ、さすがに。
でも、スケート・アメリカなどはそうなのかも?野球と同じ感覚で観に来るんでしょうか…
ユリ
カザコワさん。とってもなつかしいです。
そういえばウルマノフとドミトリエフは選手時代ずっとユビレイニーで練習していたし、カザコワさんもそうですもんね。お互い気心は知れてるから指導しやすいのかもしれないですね。オリンピックチャンプに対して「ママ」とは、、、肝っ玉もすわったヴォロノフくんですね。
ライサチェック、SPもFPもすばらしい内容でしたね。ミーシンコーチの「ジュベール世代は機能していない」を裏切ってくれてうれしいです。想像ですが、コーチもニヤッと笑ってたりして。
私はSPでふっきれたみたいでFPではジョニーのことは頭をよぎらず見れました。ライサチェックの優勝はきっとジョニーの力になると信じてます。絶対悔しいでしょうからね。
eco
なるほど、みんな同じリンクで練習していた仲間なんですね!カザコワさんは今でもプロスケーターとして滑ってますよね。別のパートナー(フランス人でしたっけ?)と組んで日本へも来てましたよね。
ヴォロノフ君の発言を聞いていると、「怖い物知らず」な感じですよね(^^;) ちゃんと訳してはないんですが、「カザコワと一緒に練習していると自信がつくし、図々しささえ身に付く」みたいな発言もしてました。。
はい、ミーシンコーチの「予想」が外れてくれて嬉しいです(笑)まだまだベテラン勢には頑張ってもらわないと。
ライサチェクのフリーを楽しめて良かったですね^^ジョニーには来季必ずカムバックして欲しいと、私も強く思っています!!