<プルシェンコのストーリーは明快(下)>ミーシン

1/24 1:20 ひとつ間違いに気づきましたので赤字で訂正しました。


カナディアン・ナショナルでP・チャンがSP100点越え!
さきほどJスポで見ましたが、完璧な演技でしたね。
それでもミーシン教授の発言に変化は起きなさそうですが…
かなり悪戦苦闘しながら訳しましたので、ん?と思う所があれば
遠慮なくご指摘くださいませ<(__)>




― あなたはジャンプのシステムを作り上げたわけですが、現在の男子シングルは、難しいジャンプが無くても勝てるのではありませんか。

 今日の男子フィギュアスケートは、大海の波間に揺れるボートを思わせる。その上、この嵐はかなり長期間、少なくともバンクーバーオリンピック以来つづいている。チャン選手は比較的最近の発言の中で、トランジションでライバルを打ち負かすことができると話していた。それが今では彼自身が4回転ジャンプを跳んでいる。これはどう理解するべきなのか。どちらへ進んで行くべきなのか。

 物事にはすべてルールが必要だ。ルールが無いと大混乱を招いてしまう。社会は法無しには発展しえないからだ。しかし、今の男子フィギュアにどのような道標があるのか、私には掴めない。スペインのフェルナンデスはひとつのプログラムに4回転を2種類、トリプルアクセルを2本入れている。きれいに跳ぶし、プログラムも音楽的だ。美的側面から見てパトリック・チャンにまったく引けを取らないものだ。チャンには和音、素早い動き、流れるような滑りがある。フェルナンデスの方はミニシアターであり、一幕のバレエだ。にも関わらず、彼はチャンにきれいさっぱり負けている。つまり、優先順位がより高いのはジャンプなのか、それともエレメンツからエレメンツへの移行なのか?(どちらなのか分からない)

 ISUの新たなルールに沿って、5つのコンポーネンツという基準がわざわざ導入された。これはスケーターの技術の様々な側面に反撃を加えるものだ。例えば、チャンは良いスケーティングをするし、美しくダイナミックなトランジションを持っているが、振付はごくありふれている。これまでの彼のプログラムを見てみると、どの年のものも同じに見える。振付師のローリー・ニコル特有の癖が感じられる。来る年も、来る年も繰り返される、彼女の上質な仕事だ。しかし、このようにありふれた振付を持ってしても、やはりチャンには途方もない得点が与えられるのだ。

 先日のグランプリ・ファイナルでのこと、ISUのペア及びシングルの技術委員長であるアレクサンドル・ラケルニクの元へアメリカ人たちがやって来て、世界選手権を廃止するよう提案したそうだ。ラケルニク自身がそのことを話してくれたのだが、こんなふうに言っていたらしい。「金メダルはチャン宛てに郵送しましょう。そうすれば選手権の膨大な運営費用を無駄遣いせずに済みますよ」とね。

 1999年、アメリカのティモシー・ゲーブルが1つのプログラムで4回転トゥループを2本と4回転サルコウ、3回転サルコウを2本と3回転トゥループを跳んだ。それから長い年月を経て我々は、4回転無しの選手が五輪チャンピオンになるところへ行き着いたというのだろうか。それならば、「より速く、より高く、より強く」というオリンピックのモットーはどこにあるのだろうか。

 ― でもバンクーバー五輪の後、多くの選手が4回転ジャンプを跳ぶようになったではありませんか。

 それは、狂人が少し正気を取り戻しているようなものだ。今はジュニアの選手も4回転ジャンプを跳ぶようになったが、これはジャッジに要求されているからではなく、選手自身が跳ぼうとしているからだ。ソチオリンピックまでの2年間で、この種目のシステムをなんとか構築しなくてはならないと感じている。男子シングル競技がどのような方向へ進むべきかについて審議する、国際組織をつくるべきだ。4回転の無い男子フィギュアなど、斧のスープ(※ロシア・東欧の民話より。肉や魚の入っていないスープを指すようです)のようではないか。煮込んで、煮込んで、フェンネル(※香辛料の一種)を入れ、セロリを入れ、胡椒を放り込んでも、やはり肉が入っていなければそれ以上美味しい料理にはならない。

 ― そして、その先は?(?)

 どうすればよいか?鉄を煮ればよいのだ。とはいえ、今は実際のところ、どのような武器でライバルたちと勝負すればいいのかよく分からない。ひょっとすると、フィギュアスケートに新しい種目を導入する価値もありそうだ。男子シングルダンスという種目を。4回転無しでトリプルアクセルを1つだけ認めて、それで採点するとしよう。私がこんなことを言うのは、フィギュアスケートの規定を執筆している「議会」そのものが、何か認識不足という印象を受けることがあるからだ。何がより肝心で重要なのか、人生から学ぶためのある種の歴史的通過点を経験しなくてはならないようだ。しかし、今日の世界のトップスケーターたちがソチ五輪でこの立場にとどまるとは思えない。4回転ジャンプを跳ばない選手が五輪で勝つとは思わない。もしそのようなことが起これば、フィギュアスケート競技最大のパラドックスとなるだろう。


 (終)

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この記事へのコメント

  • YY

    こんばんは。
    凄い発言ですねミーシンコーチ! (多分)皆が思っていることをばっさりと言い切ってる感があります。これはニュアンスを訳するのは大変だったんではないでしょうか?本当にいつも和訳ありがとうございます。(私の学生時代の先輩にロシア語の勉強のためにロシア留学した方がいます。ロシアの風土気候とそこから生まれた膨大な詩?を理解(暗記)しないとロシア語の理解は難しいとぼやいてましたので)

    男子シングルダンスについては実は私もあればな~と思っていました(笑)プロに転向したランビエールやバトルのクラッシック、ウィアーや高橋選手の個性的な演技には惹きこまれます。ショーの演技でもバレエ映像を観るように何回も観返してしまいます。賢くルールを理解していながらも体力を超える演技構成で気迫をもって演じきる羽生選手には感動すら覚えます。採点ではこうした部分への評価が難しく、また今のPチャンにもそういうとことろの魅力がないのが弱点かなぁとは思いますね(笑)
    2012年01月23日 23:03
  • みかん

    ecoさま、こんにちは!いつも、翻訳ありがとうございます&お疲れさまです。

    ミーシンコーチのような名伯楽の言葉には重みがあります。「皆のもの!ミーシンコーチの金言にひれ伏せ~!」って感じです(笑)

    Pチャンの100点超え演技まだ見てないのですよ~。しかし、アメリカ人がワールドやめろと言ってきたという話は興味深いですね。あと「今は実際のところ、どのような武器でライバルたちと勝負すればいいのかよく分からない。」というのが多くのコーチと選手の本音でしょうね。正直、多くの人がフィギュアスケートをもはやスポーツとしてみていないと思います。しかし、どうなっちゃうのでしょうかねえ。何はともあれ、ミーシンコーチには、もっと吠えて吠えて吠えまくって欲しいです(笑)
    2012年01月24日 11:21
  • 片割月

    eco様、はじめまして。
    片割月と申します。

    3年ほど前からeco様のブログを拝読ているフィギュアファンです。貴重なロシアフィギュア界の情報を翻訳され、とても有り難いと思っています。

    今回初めて投稿したのは、ミーシンコーチの「獅子吼」ぶりが余りに痛快であったことが理由の一つです。

    メディアを通して知るロシアのコーチ達は、タラソワさんにしても、ミーシンさんにしても、モスクビナさんにしても、実に人間味があり、コメントは表現が豊か。どこからともなくロシア文学の香りが漂って来ますね^^

    発言は冷静さを気取ることなく、大胆にして率直。良い意味での「したたかさ」も感じ取れます。
    発言内容の全てを言葉通りに受け止めて良いのか、微妙なものを感じたりします(^。^;)

    >アメリカ人たちがやって来て、世界選手権を廃止するよう提案したそうだ…中略…「金メダルはチャン宛てに郵送しましょう。そうすれば選手権の膨大な運営費用を無駄遣いせずに済みますよ」

    これは文字通りに受け取るよりも、アメリカ人特有のユーモアを感じます。
    半分は本気、半分はジョークかも^^;
    それに、このような「裏事情」を「暴露?」するミーシンさんにもユーモアを感じます。

    >男子シングルダンスという種目

    これは大歓迎ですね。
    高橋大輔選手は毎回ブッチ切りで優勝でしょう(笑)
    それこそ300点越えで(-^〇^-)

    第二の理由ですが、「プルシェンコのストーリーは明快(下)」の記事のみですが、私のブログに転載のご許可を頂けませんでしょうか?
    よろしくご検討をお願いします

    私のブログのアドレスは下記の通りです。ご確認下さいませ。
    http://poppy445.blog.fc2.com/
    2012年01月26日 18:51
  • eco

    YYさん、みかんさん
    いつもありがとうございます。実はその後風邪をひきまして、ちょっとくたばっております。ミーシン教授のお言葉を解読するのに頭を使いすぎて、知恵熱が出たのかも(^^;)
    また後日、お返事を書かせて頂きたいと思います。申し訳ないですm(_ _)m



    片割月さん
    コメント嬉しいです!上記のような理由できちんとお返事できなくて申し訳ないのですが、片割月さんのブログの文章、とても好きです(^^)
    「素人の訳なので間違いはあるかも」ということを前提にして頂けるのでしたら、拙訳ですがどうぞ使ってやってくださいませ。
    2012年01月27日 17:11
  • 片割月

    eco様、
    ご許可を頂き、ありがとうございますm(_ _)m
    eco様のご好意に反さぬよう、マナーを守った記事に活用いたします。

    お風邪とは…インフルエンザもありますので、お身体を大事にいたわって下さいね。

    また、お邪魔させてくださいね。
    失礼します。
    2012年01月27日 18:11
  • eco

    YYさん
    お返事が今頃になって申し訳ありません!
    ロシア語訳についての温かいお言葉、ありがとうございます。私には留学経験がないので、ニュアンスを出せているかどうかはとても怪しいのですが、実際、この記事を日本語にするのにはかなり苦労しましたので、そういうふうに言って頂けるととても嬉しいです。
    男子シングルアイスダンス、確かに見たいですね(笑)。ランビエル、バトル、ウィアー、高橋選手、羽生選手…私の好きなスケーターばかりです。
    実は、教授の「アモディオの同じようなプログラムに飽きてきた」発言に対して、アンチから「プルシェンコもマートンばっかりのくせに」と、がんがんツッコミが入っていて「それは確かに…」と思うところもあり(汗)、正直なところ少し心配だったんです。でも、ちゃんとニュー・プルシェンコを見ることができました。とてもエレガントで、音楽の捉え方が抜群だったと思います。Pチャンがあれをどう見たのか、ちょっと気になります…
    2012年02月04日 22:58

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