2014年3月5日
インナ・フォミナ
アデリナはユリア・リプニツカヤと友だちになれない
(前文略)
― エレーナ・ゲルマノヴナ(ブイアノワ)、アデリナが五輪チャンピオンという地位を得て、その最初の時間をどのように過ごしたのですか?二人でお祝いしたのですか?
いいえ、もっともっと実務的でした。アデレク(※アデリナの愛称)はドーピング検査に夜中の1時半までかかったんです。
― 何があったのですか?
美しくまとめられるかしら。彼女は疲労と緊張から、ドーピング検査に必要な物質で試験管を満たすことがどうしてもできなかったのよ(笑)。それぐらいストレスがかかっていたの!私たちコーチ ― 私とピョートル・チェルニショフとイリーナ・タガエワ ― と、アデリナの母親オリガ・ドミトリエヴナは、その間ずっと廊下で待ち続けて…やっと終わって、死んだように疲れ切ってオリンピック村の部屋へ帰りました。
翌日、やはり全員一緒にアデリナのメダル授与式へ行きました。その場に立って、私たちの娘を眺めて、大勢のファンたちが興奮して泣き叫んでいるのを聞いて、幸せで泣きました。
その翌日、私はマクシム・コフトゥンのトレーニングのためモスクワへ発ちました。世界選手権の準備をしなくてはいけませんでしたから。そしてアデレクの方は祝福を受けたり、記者会見やテレビ番組に出たりと、全体として、五輪チャンピオンの人生の楽しい面を満喫し始めました。
― あなたの生徒に今、国民の愛の雪崩が襲いかかっています。かなりの賞金をもらうことになりますし、首相からは高価な車のキーを受け取りました。この子が高慢になってしまうことが心配ではありませんか?
いいえ、だって彼女はまだ運転しませんから。まだ17歳で免許を持ってないもの(微笑)。真面目に言うと、新しいチャンピオンという地位についたアデリナは、とても立派に振る舞っていると思います。いま注目を浴びていることをむしろ喜んでいるぐらいよ。彼女はあまりに控え目で、これは今のスポーツではあまり良いことではありません。もう少し図々しく、目立つことができなければ。
― フィギュアスケート選手は、何歳ぐらいから稼ぎはじめるのですか?
ジュニアの大会に13歳から参加します。つまり、13歳から稼ぎはじめるわけです。私が話しているのは、グランプリシリーズと世界選手権で入賞したときの賞金のことです。シニアの大会だと、金額は当然ながら大きくなります。
でも、稼ぐためにはまず真剣に投資しなければなりません。例えば、アデリナがオリンピックで優勝したスケート靴は特注で、寸法を採るためにわざわざイタリアへ行きました。値段は500ドル(ブレードは別料金で300ドル)で、それがフルシーズン、つまり1年間もつことは滅多にありません。衣装(ロシアの素晴らしいデザイナー、セルゲイ・レヴィン案出のものを着始めてもう2シーズン目ですが)は、1着1000ユーロかかります。
― あなたとアデリナは似ています。スポーツ選手としてのキャリアのスタートがとても早かった。アデリナもあなたも12歳で、ロシア選手権でのセンセーショナルな優勝を果たしています!お二人とも神童と呼ばれて…
自分の試合を思い出すことはもうありません。もうずっと昔のことで、あれからフィギュアスケートはとても大きく変わりました。いま私は自分の人生ではなく、アデリナの人生に生きています。
彼女のスタートがとても早かったことについてですが、フィギュアスケート選手がシニアの大会に出場できるのは基本的に15歳からなんです。でも、アデリナのためにそのとき特例が設けられて、いきなりロシアチャンピオンになったんですよ。ついでに言うと、その後ルールが変更されて、12歳からロシア選手権への参加が認められるようになりました。
(つづく)
<原文>
http://7days.ru/article/privatelife/trener-sotnikovoy-adelina-ne-mozhet-druzhit-s-yuliey-lipnitskoy/1
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