プリセツカヤ・シチェドリン夫妻<真実が勝つときは幸せ(1)>

先日亡くなられた伝説的バレリーナ、マイヤ・プリセツカヤ。夫で作曲家のシチェドリンは、ビゼーのオペラ『カルメン』をもとに『カルメン組曲』を書いた人です。この夫妻がトリノ五輪期間中に応じたインタビュー記事があるのを、読者の方に教えていただきました。ゆっくり慎重に訳していくつもりですが、何かおかしなところがあればご指摘いただけると幸いです。
シチェドリンが自分の奥さんを名前+父称(ふつうは目上の人や公式の場で使う)で呼んでいるのが面白いです。



2006年2月22日
エフィム・シャンスキー、フランクフルトより

史上最高のカルメンと『カルメン組曲』の作曲者が、五輪のアイスダンスを語る。


マイヤ・プリセツカヤ/ロジオン・シチェドリン

真実が勝利するときは幸せ


『カルメン組曲』は勝利をもたらす

 「お電話くださって嬉しいです」と、受話器からマイヤ・ミハイロヴナ(・プリセツカヤ)の声が聞こえた。トリノ五輪のアイスダンス競技終了後、私は彼女のミュンヘンの電話番号をダイヤルしたのだ。「お話しすることがあるし、とても話したいの。何よりも『カルメン組曲』がメダルをもたらすことがとても嬉しいし、幸せですらあります。ベステミアノワ/ブキン組やカタリナ・ヴィットがあれを踊ってどれほどうまく行ったか、覚えているでしょ?それにプルシェンコも…どうやらあの曲には演者にとっても、観客にとっても磁力のようなものがあるみたい。さて、トリノでロシアの子たちは『カルメン組曲』をとても音楽的に踊りました。ナフカはまったく驚くべきお譲さんね。彼女とコストマロフは素晴らしいダンスをしました。音楽的で、表現豊かで、芸術的で。私はすっかり舞い上がってしまいました。これらすべてを激戦の中で見せてくれたのですよ」


 ― ダンスの演出はどう評価しますか?


 「見事な演出でした。ナフカとコストマロフは、シチェドリンが考えたアクセントをよく感じ取っていました。オペラには無いアクセントをね。これは私が踊っていた時にもとても大事なことでした。ポイントはオーケストレーションにあるの。ビゼーのカルメンはフルオーケストラ用に書かれているけれど、『カルメン組曲』は弦楽器と打楽器だけ。ボリショイ劇場では5人の打楽器奏者が演奏して、残りのオーケストラメンバーは100人全員が弦楽器奏者でした。これはオペラとはまったく違います。オペラでは歌わなくてはいけませんし、歌手を邪魔することはできませんから。全体として別の音楽になっています」


 ここで、ロジオン・コンスタンチノヴィチ(・シチェドリン)が少し話したいという。その後(※電話を代わり)、会話を続ける。


 「皆の先駆者となったのはマイヤ・ミハイロヴナでした」とシチェドリンが話し始めた。「彼女は“カルメン”を踊ることに取りつかれていました。バレエではなくオペラを書いたビゼーは致命的な間違いを犯した、と妻は確信していたのです。そこで私がビゼーを手直しすることになり…そうそう、私たちはドイツのテレビで試合を見ていたんです。マイヤ・ミハイロヴナは、ロシアの選手が『カルメン組曲』で滑ることを知りませんでした。これは彼女には嬉しいサプライズでした。ついでながら、数日前にはアメリカの男子シングル選手(※ライサチェクのことですね)も同じ曲で最終順位を押し上げましたね。このように『カルメン組曲』は人々に幸せをもたらしますし、これはもちろん、嬉しいことです」


 (つづく)




<原文>
http://www.sport-express.ru/newspaper/2006-02-22/7_1/

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