(ゴンチャレンココーチ、羽生・宇野・チェンを語る)

 ― ユヅル・ハニュウがグランプリ・ファイナルを欠場したことで、他の選手たちの心に「これで楽になるぞ」というような考えが湧いてくるでしょうか。

 本命の不在によって、他の選手たちが崩れてしまうことがよくあります。なぜなら、全員で隊列を組んでいるときは集中力が高まるからです。健康なハニュウはファイナルの本命だったでしょう。シーズン初めのプログラムは思うように滑り込まれていませんでしたが、でもそれは『モナリザ』を見るのと同じこと(※ダ・ヴィンチのモナリザも描きかけの未完成品と言われている)。彼こそ真のフィギュアスケートファンであり、すべての意味においてプロフェッショナルです。モスクワでケガをしてしまったのが残念です。できるかぎり早く回復して、リンクへ出てくることを願っています。

 ハニュウが欠場したことで、ネイサン・チェンとショーマ・ウノの優勝争いになるでしょう。この日本選手のことはかなり昔から、彼がまだ子どもの頃から見ています。ずっと体がちっちゃかったのですが、こんなことをやってみせられるのだなと、見るたびに驚かされていました。そう、彼はできたのです。厳しい練習によって自分で自分をつくったのです。最高難度のエレメンツを実行し、私たちはそれに感嘆させられます。彼はそういう気質。トレーニングやウォームアップではばらけてしまうかもしれませんが、プログラムに入るとすべてを引き出します。本物のサムライです。イデオロギーがまったく違います。

 チェンには素晴らしいスケート技術があります。ひと目でラファエル・アルトゥニアンの手が感じられますね。ネイサンは見事なジャンプテクニックを持っていますが、さらに今、スケーティングも向上しています。



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