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zoom RSS <診断は“コーチ中毒”(1)>アレクセイ・ミーシン

<<   作成日時 : 2009/06/09 02:43   >>

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ロシアに「LЁD」というフィギュアスケート雑誌があります。
先日、ある方から何冊か譲っていただきました。
5月号の表紙を飾るのは、美しすぎるタチヤナ・ナフカ(画像)。
この号に載っているミーシンコーチのロングインタビューを
少しずつ訳してみたいと思います。
今回は原文がネット上に公開されていないため
訳文のコピー&ペーストはご遠慮ください。




アレクセイ・ミーシン
診断は“コーチ中毒”



「教授がトレーニング中に…」「教授が試合のときに…」「私たちの教授が…」
いったい何の話をしているのか、一般の人にはすぐには分からないだろう。「教授」とは、アレクセイ・ニコラエヴィチ・ミーシンのこと。大いなる尊敬と愛をこめて、彼のホーム「ユビレイヌィ」の人々はそう呼ぶ。いや、広くフィギュアスケート界でもそう呼ばれている。


 ― アレクセイ・ニコラエヴィチ、仕事のある平日はどのように過ごされるのですか?

 ロビンソン・クルーソーみたいなものだ。月曜ー金曜、火曜ー金曜、水曜ー金曜…朝ーリンク、昼ーリンク、夜ーリンク。トレーニングの合間は、リンクで打ち合わせだ。

 ― あなたにとって休暇とは?

 どこかへ休暇に出かけても、そこに腰を据えることはできない。キノコを採って塩漬けにするか、魚釣りをするか、あるいはダーチャ(※ロシア式の簡素な別荘)の手入れか何かをしなければならない。そういうわけで、私の生活にはそのような休暇はない。もっとも、最近は早めに就寝するように心がけてはいるが。テレビを消し、携帯の電源を切る。夜10時から翌朝まで電話から解放されるために。

 ― あなたご自身で生徒を選ぶのですか?

 私が選んでいるとも言えるが、彼らが私を見つけるとも言える。ジャーナリストたちから次のような質問をよく受ける。「なぜ他のコーチのところには才能のある生徒がいないのですか?あなたのところにはいるのに」と。私の答えはこうだ。「経験豊かな漁師は大きな魚に出会うが、経験の浅い漁師は小さな魚にしか出会わない」。スポーツでも同じことが言える。

 ― でも、特別な才能のない生徒たちにも教えることになりましたよね。高い報酬が得られるからでしょうか?

 コーチの仕事を、ロシア国内と海外とで分けて考えてほしい。ロシアでは、十分に才能のある者から非常に才能のある者までを教えている。海外では、やって来た者全員に教えている。私だけでなく、コーチたちは皆そうしている。しかし、私はこのことに感謝している。能力の高くない生徒たちと一緒にやると、とても積極的な練習と、訓練の方法、メソッドを作り上げるができるからだ。
 コーチが同じことを言っても、生徒はまったく違うことをやるということがよくある。まるで頭の中でコンピューターが助言を与えるように。ということは、同じコーチがいろんなやり方で、何らかの練習やエレメンツを行うことができるということだ。才能のある者はすぐに正しいやり方を選び出すが、才能のない者は道を探し、足踏みをする。昔、コーチ活動を始めたばかりの頃、私は才能に恵まれていない生徒には、二流の人間に対するように接していた。それが間違いだったと今はわかる。すべての生徒を教えるべきなのだ。


  (写真キャプション)
  エフゲーニー・プルシェンコ:
  いちばん危機的な状況のときも
  コーチは僕を信じ続けてくれた。
  この信頼があって、僕たち2人は
  トリノで勝つことができたんだ。


 ― あなたのお仕事は「リンクへ来る、トレーニングを行う、帰る」だけではありませんよね。今日ロシアのコーチたちは、その他の多くの問題を解決しながらやっています。マネージャー兼、ディレクター兼、管理者兼…

 残念ながら、我が国のフィギュアスケートにおけるトレーニング過程の組織構造は、ホッケーやサッカーのようなチーム競技(?)とは違う。ホッケーやサッカーでは、各選手にエージェントとマネージャーがついており、選手の昇格やすべての管理的な問題に携わっている。このようなシステムは海外にもある。例を示そう。ガリーナ・ズミエフスカヤの誕生日に、我々は韓国を訪れた。皆がテーブルにつき、ガリーナは我々にメンバーを紹介してくれた。こちらが選手、こちらがコーチ、こちらが振付師、こちらがエージェント、こちらがPRマネージャーというふうに。
 我々の場合は、医者のこと、ビザのこと、チケットのこと、記者会見のこと、スケート靴店のことなど大部分を、コーチ自身でやるか、もしくは選手の両親や親族の助けを借りてやっているのだ。当然、これは正しいことではない。
 ロシアのフィギュアスケート管理者研究所(?)は、まだまだ自分の場所を見つけなくてはならない。しかし、我々のフィギュア選手全員が属して(?)いる青少年スポーツ学校(ДЮСШ)の構造では、この問題に関してコーチを強く援助することができない。この状況を変えるには、経済的ステータスの高い人々が、ロシア式メセナの伝統を開始する、というよりも継続してくれるしかない。そしてその例はすでにある。ロステレコムがロシア代表チームを、そしてM.クズネッツォフ財団が私の教え子たちのグループを支援してくれている。


 (続く)


「LЁD」5月号18〜23ページ



<「LЁD」5月号目次>
http://icesymphony.org/icenews/led6/


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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
プルのコメントにミーシンとの絆を感じ取ることが出来てかなり癒されてしまいました。
ミーシン氏、おいくつなんでしょうか。もう古希も近いのでは?
プルが復帰に向けてトレーニングに励む姿にも、影響を受けて若返っていそう。

そしてそして、コストナーの新コーチの候補にもミーシンの名前が挙がっているんですよね。
その辺の情報が入りましたら、ぜひお願いします。
ぷる子
2009/06/09 09:42
ecoさんお久しぶりです。
いつも様々な記事を翻訳していただき、どうも有難うございます

今回の記事にはガリーナ・コーチの話が出てきたので、ウィアー君ファンの私としては興味深く読ませていただきました。
だ・け・ど、彼の名前は出してくれず
「メンバーを紹介してくれた。こちらが選手、・・・というふうに。」という表現で終わっていて、寂しい
まあ、取り繕った事を言わないのは好感が持てる面もありますが。
ガリーナ・コーチに関しての部分、私のブログで使わせていただきたいと思います☆
honey1045
2009/06/09 12:51
続けてのコメント、失礼します。
訳文をコピーして紹介するのではなく、上のコメントで書いた様な表現にしますので、ご安心ください☆
honey1045
2009/06/09 13:29
ぷる子さん
ミーシンコーチは、1941年3月8日生まれの68歳です。お元気ですよねー。きっと一生「コーチ中毒」のままなんでしょうね(笑)

コストナーの新コーチについては、いろんな噂が飛び交ってるみたいですね。教授は今の状態で手一杯なんじゃないかと思うのですが…
もし何か情報が入ったら訳してみますね。
eco
2009/06/09 20:23
honey1045さん、お久しぶりです〜^^

ズミエフスカヤコーチのくだりは、ロシアとアメリカの競技環境はこんなにも違うんだということを、ミーシンコーチが強調していらっしゃるだけだと思います。実際にガリーナコーチが「こちらが選手です」という言い方をしたわけではないと思います。
誤解のないように、もう少しやわらかく訳すようにしてみますね〜
eco
2009/06/09 20:36
取り繕った事を言わないのは好感が持てる面も〜とは、“教授"のことです
彼がウィアー君の能力を認めているなら「今はアメリカのジョニー・ウィアーのコーチであるガリーナ・ズミエフスカヤの誕生日に・・・」と名前を出したと思うんです。
そうではなかったので、寂しかった私
まあ、今年のワールドは代表落ち、プルもこちらで拝読したインタビューではライバルに挙げていなかったので、仕方無いです。(来季は頑張ってくれるはず!)

ecoさんの訳は、いつもソフトで読みやすいですよ


honey1045
2009/06/09 21:28
honey1045さん
すみません、誤解していたのは私の方だったようで(^^;

そうですね、もしウィアー君をプルさんの強力なライバルだと考えているなら、彼の名前が出てくるのが自然かもしれませんね…さすが、読みが深いです。

ウィアー君は振付師を変更するんですよね?バンクーバーではひと味違うジョニーを見られるんでしょうか!?
eco
2009/06/09 23:33

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